海の底から夢を見る

誰かに私を知って欲しかっただけなんです

時には誰かを傷つけたとしても

 

 

出会いの数だけ別れがある

 

なんて言葉、ありきたりすぎてもう微塵も心に響かないね。

生きていれば別れなければいけない瞬間は必ず来ます。

 

それは人に限らず、かつて大切にしていたものや、思い出深い場所であることもある。

どんな形であれ、出会った限り別れてしまう宿命なのだ。

だってそもそも死んだらこの世とお別れなんだから。

 

 

 

わたしは今、二つの別れを心に秘めている。

まだ伝えてないから誰も知らないけれど。

 

 

1つは会社との別れ。

新卒だった私も、もう入社してから半年以上が過ぎて、すっかり今の会社の色に染まってしまった気がする。

なぁなぁで入社しただけあって、無気力で自由な日々を過ごしつつ、コロナの影響でゆっくり死にゆく会社を肌で感じている。

 

会社は決して居心地が悪いわけでは無い。環境がわたしには合わないだけだ。

こんなことを言うと環境のせいにして逃げるな。なんて声が聞こえてきそう。

だからはっきり言う、クソだと。

 

勿論感謝はしている部分はたくさんある。

だけれどわたしは変われなかった。かっこいい大人を見れば自分も変わるかと思った。

しかし、憧れる大人はそこにはおらず、わたしは誰かを心から尊敬できないままだった。

 

わたしはここにいるべきではない。そう思った。

だから、この会社を去る決意をした。未練など一ミリもない。

心に決めてしまえば日々の業務がより一層馬鹿らしく、ちっぽけに感じた。

 

私が辞めることでこの会社は死に向かって加速するだろう。

でも構わない。誰の人生が潰えようが、私は私を見つけてあげなければならない。

この会社ではわたしを叶えられない。自分の人生を生きている実感もなければ、自分が必要である気もしなかった。

会社と共に私までゆっくりと腐っていくのは御免だ。

 

まだこの気持ちは伝えていない。けれど心は確実。

わたしはいつかこことお別れする。

 

 

2つ目は恋人との別れ。

付き合ってからずっと心のどこかで感じていたこと。

君とは結婚できないんだろうな。

楽しい日々もあった。愛おしく狂わしいほどに君を求めた。

はずだった。でも本当はずっと私は心に嘘をつき続けていた。

 

君はわたしといられれば幸せになれると言うだろうね。

わたしは違う。確かに君を幸せにすることはできると思う。

でも、それじゃあ私が幸せになれないんだって気が付いてしまったの。

 

君の求めることは何でもしてきたつもりだった。

離れてほしくなかったから。

何でもない日にサプライズでたくさんプレゼントをあげたりもした。

君からは一つもなかった。

だからだんだん私も愛することから逃げるようになってしまった。

君を愛することをさぼった。お互いを見つめあうことを怠ってしまったんだ。

 

わたしが君を愛したのは、一人が寂しかったから。

わたしが君の手を握らなくなったのは、君を食べつくしたから。

 

わたしはクズだから、身近で大事な人ほど見えなくなってしまう。

だから君の大切さも、愛おしさも全て忘れてしまった。

君といた日々は写真が教えてくれる。わたしはその痛いくらいに眩しい日々を平気で捨てることができる程に、心を無くしてしまったのだ。

 

愛が情に変わる瞬間は見えない。振り返れば過ぎているんだ。

二人の間に流れる時間は徐々に、しかし確実に愛を蝕む。

 

疲れちゃったんだ、二人でいることに。

ついに君は、わたしに寄り添うことができなかったね。

映画の話も、音楽の話も、小説も漫画のことも。

君のおかげでわたしは男性ファッションに詳しくなったよ。君が働いていたから。

君のおかげでラーメンにもゲームにも詳しくなったんだ。

わたしは精一杯、君に寄り添ったつもりだよ。

 

ごめんね、何もしてくれなくてありがとう。

 

君はわたしの未来に不満を言った。

それが最後の決め手だよ。

わたしが仕事をやめて進学したいと言った時、君は自分の心配を一番にしたよね。

わたしは君の人生を何でも後押ししてきたつもりだった。

自分がそうしてほしかったのかもしれない。誰かに認めてほしかった。

だけど君は不満を言ってわたしの未来を自分の都合で変えようとしたんだ。

 

その時に終わりを感じたの。君必要ないじゃんって。

私の未来は私が生きる為にある。

わたしは君の為に生きられなかった女、ただそれだけ。

 

時には誰かを傷つけたとしても進まなければならない。

わたしはいつかこの恋を思い出して泣いてしまうだろう。

この傷を抱えて生きていく。

その為にもわたしは強くならなければいけない。

 

 

別れは辛いけれど、必要なんだ。

君がいない世界はきっと少しだけ青く、

君がいない生活は少し息がしやすいだろう。

 

 

その微細な変化も習慣も、傷の痛みも君の感触も全て、時間と共に薄れていくんだ。

 

 

手放す勇気をください

 

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